熱電対

 
  • Q1:シースタイプのセンサを曲げて使用したい。どの程度まで曲げて良いですか?
  • A1:シースタイプで曲げ加工をする場合、曲げ半径はシース外径の2倍以上にしてください。 
  • Q2:外径φ1.6のシース熱電対を使用している。先端からの位置で、どれくらいから曲げは可能か?
  • A2:先端から10mm以降で曲げ可能です。 
  • Q3:被覆熱電対でモールド付きとはなんですか?
  • A3:耐薬品性を考えた先端処理の方法です。ご発注の際は、フッ素樹脂(テフロン)の被覆熱電対に先端モールド加工付きとご指定ください。 
  • Q4:シートカップル(C060)にリードの加工はどうするのか?
  • A4:リード線に被覆熱電対を使用し、スポット溶接/銀ろう付け/ハンダ付けなどの方法で接続します。 
  • Q5:R熱電対にB熱電対用の補償導線を使用して良いですか?
  • A5:使用できません。誤差がでます。R熱電対とS熱電対は共通です。 
  • Q6:K熱電対は、UL規格に対応していますか? 
  • A6:シース熱電対、一般形熱電対はUL規格に適合しておりませんが、被覆熱電対であれば適合品を提供できます。 
  • Q7:耐圧防爆形熱電対は、エタノールが充満している場所で使用できますか?
  • A7:エタノールの爆発等級/発火度はD1G2です。当社の耐圧防爆センサはD2G4まで認可を受けているので使用可能です。 
  • Q8:K熱電対を使用して温度測定をしていますがプラスマイナスを逆に結線した場合には異常は出ませんか? 
  • A8:いずれも異常が出ます。どの線を逆に接続したかで異常の出方が異なります。測定温度をT 熱電対端子温度をT1 計器端子温度をT2とすると正しい接続の場合
    熱電対(T−T1)+補償導線(T1−T2)+計器の基準接点補償(T2)=測定温度(T)となります。 
    1.機器端子のプラスマイナスが逆:指示が−に振りきれます。
    −{(T−T1)+(T1−T2)}+(T2)=−T+2T2 マイナス振り切れ 
    2.素線のみプラスマイナスが逆:指示が−に振りきれます。
    −(T−T1)+(T1−T2)+(T2)=−T+2T1 マイナス振り切れ 
    3.その状態で補償導線のプラスマイナスを逆にすると一見正常になったようになりますが補償導線は温度差を保証せず、温度差の2倍低めに指示します。
    −{−(T−T1)+(T1−T2)}+(T2)=T−2(T1−T2) 
    4.補償導線の極性が逆:温度差の2倍低めに指示します。
    (T−T1)−(T1−T2)+(T2)=T−2(T1−T2) 
  • Q9:恒温槽でシース熱電対のKを使用したいのですが耐熱200℃の補償導線が使えますか? 
  • A9:補償導線の耐熱は150℃までです。温度が低いところまでシース熱電対の長さを伸ばすか、リード部を耐熱性のある被覆熱電対にする方法をご検討ください。 
  • Q10:K熱電対で−200℃まで測れますか? 
  • A10:ご提供できるセンサが限られていますのでお問い合わせください。 
  • Q11:被覆熱電対で、先端20センチくらい被覆を剥いた場合、この20センチすべてよじった方が良いでしょうか? 
  • A11:20センチも剥かなくても計測は可能です。20センチもよじってしまうと、先端部分の温度ではなく計器に1番近い部分の温度が計測されてしまいます。 
  • Q12:ソリッドパック熱電対のKで、クラス1とクラス2がありますが、JIS規格の表を見るとクラス1は1000℃未満まで、クラス2は1200℃未満までの記載になっています。どちらでも1200℃まで計測可能でしょうか?
  • A12:クラス1、クラス2は精度の違いで、JIS規格の温度はその値を保証するかどうかの基準です。クラス1の1000℃以上はJISの規格外となるので、精度の保証はしませんが、温度の計測は可能です。 
  • Q13:ヘッドレス形シース熱電対のリードが根元の部分で切れてしまいました。修理可能でしょうか? 
  • A13:保護管の長さが少し短くなってしまいますが、修理は可能です。合わせて修理時に、リード保護スプリング仕様にする事をお勧めします。 
  • Q14:熱電対でRoHS指令、UL規格対応品は有りますか? 
  • A14:当社の熱電対はほとんどが、EU-RoHS対応です。ただし、UL規格は取っておりません。チノーHPの環境対応を参考にしてください。
    製品の環境対応 
  • Q15:Kの素線先端のハンダ付けがうまくできません。何か良い方法は有りませんか? 
  • A15:Kの素線は表面を良く磨いても、酸化膜がすぐ形成される為、普通のハンダではうまく付きません。ステンレス用フラックスを使用し、ステンレス用または普通のハンダで付けてください。ステンレス用フラックスが無い場合は、稀塩酸(水で3~5倍に薄めた)を使用してください。 
  • Q16:被覆熱電対GK-3を使用していますが、熱時定数を教えてください。 
  • A16:0℃から100℃空気中の条件で、63.2%応答で約14秒、90%応答で約44秒です。また、0℃から沸騰水中の条件で、63.2%応答で約0.6秒、90%応答で約1.1秒です。 
  • Q17:シートカップルC060の絶縁紙の面積を20×20mmに変更できますか? 
  • A17:ご指定いただければ、対応可能です。 
  • Q18:シートカップルC060の素線を長くした物は製作可能でしょうか? 
  • A18:特殊となりますが、K熱電対のみ可能です。ただし、Kのリボン素線を溶接して長くしますので途中に接続部ができます。 
  • Q19:K熱電対は水素雰囲気に弱いとのことですが、これはどういう理由でしょうか?
  • A19:K熱電対のクロメル線の表面には酸化被膜がありますが、水素がこの酸素を奪い、次にクロムの酸化が急速に進みます。これはグリーンロット現象と呼ばれ、急速に劣化し起電力が低下します。 水素だけでなく一酸化炭素などの還元性雰囲気でも起きます。 
  • Q20:測定温度800℃、真空度200~300Paの真空チャンバ内の温度検出可能な熱電対はありますか?
  • A20:シース熱電対が使用可能です。ただし、取付アクセサリを真空用にする必要があります。 スウェージロック等の真空用のシール金具を使用する方法と、JIS規格真空フランジ(VF、Vタイプ)や真空用ICFフランジを溶接で取付ける方法があります。 
  • Q21:一度取り外した熱電対を保管しておく場合、湿度、室温等の制限などがあれば教えてください。 
  • A21:温度、湿度など熱電対の保管条件については、JIS規格にはございません。 ただし、熱電対の出荷試験をする時の環境条件は温度:5~35℃、湿度:40~80%RHですので参考にして下さい。 
  • Q22:熱電対の長尺品は、どこで温度を測定していますか?途中の温度が高くても問題ありませんか 
  • A22:先端内部の素線溶接部が感温部です。素線が均質であれば熱電対の起電力は両端の温度差によるもので途中に高温の部分があっても影響ありません。
  • Q23:シートカップルC060を軸に貼付けたいのですが、適切な接着剤はありますか?
  • A23:接着剤での貼り付けより、ニトフロンテープ類での固定をお薦めします。ニトフロンテープはmax180℃、幅10mm厚さ0.08mmのものです。 
  • Q24:シース熱電対にニップルを固定する場合、銀ろう付けですか?
  • A24:1.6φ以下は銀ろう付け、3.2φ以上はアーク溶接が標準ですが、1.6φの場合は、ご指定いただければアーク溶接が可能です。 
  • Q25:DIN規格のL熱電対は製作が可能でしょうか?
  • A25:L熱電対は、一部の受信計器では入力可能ですが、センサは残念ながら当社では製作しておりません。 
  • Q26:K熱電対で500℃前後の測定値が数秒で元にもどり不安定になる現象が発生します。何か原因が有りますか? 
  • A26:K熱電対が500℃近辺でふらつく原因として ショートレンジオーダリングの可能性があります。K熱電対は250℃~550℃の間で結晶が変化し起電力が不安定になることが知られています。600℃以上では解消されます。この温度付近を測定する場合はN熱電対をお勧めいたします。 
  • Q27:簡易補償形表面温度測定用センサC015の先端感温部の出力安定化フィルターの交換方法を教えてください。
  • A27:交換方法は、マイカが入っている先端の黒い部分のマイナスネジをゆるめ、全体を下に抜いてください。マイカも同時にとれます。3本の熱電対線を動かさないようにマイカをのせ黒色部分を締めこみ、マイナスネジで固定します。
  • Q28:簡易補償形表面温度測定用センサC015のローラ部分のみ購入可能ですか?
  • A28:ローラ部分だけでも、ローラホルダ部分のみでも購入可能です。 
  • Q29:簡易補償形表面温度測定用センサC015は、ホームページに「近接気体と真温度との差を自動補償する回路を内蔵」という記載がありますが、自動補償するのですか?
  • A29:最初に表面温度に合わせる設定は手動で行いますが、近接気体と真温度との差を補正して表面温度の信号を出力するのは自動なので、自動補償という記載になっています。 
  • Q30:熱電対を校正しているのですが、それを接続する補償導線は校正する必要はありますか?通常センサは単体で校正しますが、途中で補償導線を使用した場合、その補償導線分の誤差が出ませんか?
  • A30:一般的には補償導線の校正は行いませんが、補償導線にも誤差があります。精度が心配で有れば、補償導線ではなく被覆熱電対を使用するか、精密級補償導線を使用する方法があります。 
  • Q31:SMコネクタの色はKの場合、青となっておりますが、一般的には黄のようです。青である根拠(JIS規格等)およびSMコネクタ本体の規格(JIS等)を教えてください。 
  • A31:Kの青色は、熱電対用補償導線の規格JIS C 1610-1995区分2 を採用しています。KのSMコネクタの青色も、これに合わせております。ちなみにASTM E230(米国)ではKの補償導線は黄色と規定されています。